代表取締役 前田正仁より

なぜ!不動産屋さんを敵にまわしてでもいい住宅悪い住宅の見分け方を一般の人に公開したのか?

私の会社に見積もりの依頼が来ました。
「中古住宅を購入したので、引越し前にリフォームしてほしい!」というご依頼でした。

お客様の主なご依頼内容は、全部屋の壁紙を替えること、フローリングを3部屋替えること、2階の和室2部屋を洋室にすること、システムキッチンを取り替えること、キッチンの隣の和室を洋室にして大きい続き部屋のリビングにすること、などでした。

それぞれの部屋で、ご依頼事項を確認し計測を行った後、
「不動産屋さんに、浴室の上のベランダは雨漏りしているので修理したほうがいいって言われたので、その修理代金も見積もってもらえますか?」
「それとできましたら、他に悪い所がないか点検してもらいたいんですけど・・・」

ということでしたのでまず、雨漏れの状況を確認しました。

以前住まわれていた方は、浴室の天井の雨漏れなのであまり気にしていなかったのか、長い間ずっと放置していたように思えます。
浴室内のタイル面が少し膨らんでいるようでした。浴室の外壁は水を含んだように膨れているところや、ひび割れが入っているところもあります。

その他、床下収納庫をはずして床下を覗いてみると湿気が非常に多いようです。
フローリングを点検してみるとフローリングの床が悪くなってふわふわしているところがあります。
また、畳をめくってみると下地の床板がカビだらけのところもありました。

これから売ろうとするのであれば、お金をできるだけかけないように今現在悪い所だけ補修すると思いますが、これから住むのであれば、できれば、考えられる原因を探ってその原因を改善する対処法をとりたいと思うでしょう。しかし、この方法は費用がたくさんかかる場合が多いのです。

お客様は「家を買ってリフォームして住む」という大きな夢と計画の予算が大体決まっておりましたので、お客様にプラン変更を申し出て、原因を改善する方法をご提案するか迷いました。

しかし、「工事を断られるかも知れない」というリスクを承知で、後々のことを考え、見積もりを出す際に正直にすべてお話しました。

中略

「今回、浴室の改装工事をプランにいれられておりませんが、雨漏れの対処のために浴室の改装の見積もりも作ってまいりました。」

「えっ!?お風呂の改装ですか?」

「はい。といいますのは、この雨漏れはお客様が思われているよりも悪い状態だと思われます。」

「えっーそうなの?」

「はい。雨漏れしていても気にならない浴室部分だったので修理せずそのままにしていたのだと思います。おそらく壁内部の木部はもうボロボロで、もしかすると半分ぐらい朽ちていて外壁はぶら下がっているだけの可能性もあります。」

「えーそんなにひどいの」

「はい。それから床下は非常に湿気があるようで、ごらん頂いたとおり畳の下にカビが生えているところや、床が柔らかい部分があったと思います。」

「そうでしたね」

「以前住まわれていた方は、フローリングを10年以内に取り替えていると思いますが、それでもこのような状態になっているということは、今回フローリングを取り替えたとしても数年後同じような症状が出ると思われます。

「えっ、そんなに早く!」

「はい、だから、もしその2つの対策工事をした場合の見積も持ってまいりましたのでご家族とゆっくり考えて答えを出してください。」

と言って工事の方法と金額を説明しました。

お客様のお顔の表情がみるみる暗くなるのがわかりました。
それもそのはずです。家を買って想い描いた改装をして新しい生活を始める予定だったものが、一気に崩れ落ちたわけですから。

そして、打ち合わせの日が来て、ご主人さんからお話されました。
「雨漏れと床下ですが、ご提案いただいたとおりの内容でお願いしたいと思います。住み始めてからでも工事期間があまりかからず、金額もあまり変わらないとおっしゃっていた2階部分は、洋室の1部屋の壁紙貼り替えだけにとどめておいて、システムキッチンも今回見合わせることにします。」

「これで大体、予算内に収まると思いますのでこの内容でお願いできますか?」

「はい。ありがとうございます」

「リフォームしたところが悪くなってまたお金がかかるのがもったいないからね。」
「早く発見できてよかったと思っていますので」

ということで、お客様は気持ちを切り替え、改装プランも切り替えました。
もし、このお客様が建物の知識をお持ちならどうなっていたでしょう?
このお住まいを選んだでしょうか?
また、余分な修理費用を支払う必要があったでしょうか?

どうしてもこのお住まいがほしかったとしても、家を見て補修箇所と規模がわかっていれば、契約の際に修理代金の全額とまではいきませんが何パーセントかは売主さんにご負担いただけたかも知れません。

では!不動産屋さんが悪いのでしょうか?

この不動産屋さんは、きっちり雨漏れを言っておりましたし、床のことも言っていたようでした。
だからこのケースでは、多少問題は残るものの「2点とも修理が必要」と言って不動産屋さん及び売主は不良箇所の告知義務は果たしていると思われます。

不動産屋さんは、家を売るのが仕事です。
だから、物件を見ればすぐに売れるかどうかの判断と、いくらぐらいで売れるかはすぐに判断を付けられると思います。
しかし、物件価格の判断には、驚いたことに建物の良し悪しはほとんど関係ないのです。
「土地と建築年数によりほとんど決められる」というのが現実なのです。建物の良し悪しは二の次ということです。

だから、建物の良し悪しの度合いを詳しく判断する必要がないので、良し悪しを聞いて責任を不動産屋さんに持っていくのは、実は酷なことなのです。

民法では、住み始めてから見つかった悪い所は、売った人が責任を負うことになっています。しかも、年数の期限が明記されていないので何年も売った人が責任を負うことになります。
だから、そういった売る人にとっての不安をなくすために、意図的に不良部分を隠すのは違反ですが、「買った人が悪い所を直す」という契約事項を追加されるのが常識になっています。

だから、購入するときのチェックが重要になってきて、契約前に修理代金の全額もしくは半額ぐらいを売主さんにご負担いただくなどの対処方法があるのです。

反対にこのシステムをうまく使うと、知識があれば表示価格よりもはるかに値打ちのある建物を見つけることも可能なのです。

先ほどのお客様ももっと住宅の知識を持っていれば私たちといい出会いができたかも知れません。
もっとうまくこの大事業を終わらせたかも知れません。

私は、このような状況が続くと建築業界や不動産業界にとってマイナスな事だと思います。

だから、このようなことができるだけ起こらないように、プロの工務店としてホームページなどを通して、建物の良し悪しの見分け方を公開する決心をしました。

だからもし、中古住宅をお考えなら、是非、私たちの知識と経験を使ってもっと住宅のことを知っていただき、最低3件は自分の目で中古住宅を査定してみてください。

そうしますとだんだんと建物の良し悪しがわかるようになり、あなたのこの大事業の成功の可能性がグーッとあがると思います。

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